飲食業界の業界規模について
前回学んだ市場調査の方法から、今回はカフェ業界だけでなく飲食業全体の市場規模と飲食業界の状況について調査しました。
ここ数年、飲食業界が大変だったことは誰もが想像できるかと思いますが、実際にどういった状況なのか、今後どう打開していくべきか、そのあたりが調査のポイントになりそうです。
飲食業界の業界規模と状況について
一般社団法人日本フードサービス協会の推計によると、令和2年度(2020年1月〜12月)の市場規模は18兆2005億円と推計された。
2019年までの売上高は増加傾向にありましたが、コロナが流行し始めた2020年は大幅に減少し、前年比30.7%減となりました。
一方利益率は2017年から下落傾向にあり、2020年には大幅に減少しています。
2020年は主要飲食企業118社中100社が減収を、83社が最終赤字を計上しました。
以上のデータから、コロナ流行の影響が飲食業界に大打撃を与えているのがわかります。
飲食業界はピンチな状況
感染拡大防止による臨時休業や時短営業の要請、テレワークや休校などで外出を控える消費者が増え、『3密』になりやすい店内飲食型の業態は収益が減少。
特にお酒を扱う居酒屋などは、稼ぎ時の時間帯に営業ができないことから、ランチからお弁当のテイクアウトを始めるなど新しい取り組みをしても厳しい状況が続いています。
最近では非常事態宣言が出されることもなく、withコロナとして生活も前のように戻りつつありますが、長い自粛期間による生活スタイルの変化により、コロナ前の状態に戻ることはまだまだ難しい様です。
また、飲食業界のピンチはコロナ流行だけでく、最近の物価高や人材不足も打撃を与えています。
最近ではあらゆる飲食店で値上げをしていますが、食材価格や物流費などのコスト上昇、人手不足による人件費高騰など、、経営状況はとても厳しいようです。
飲食業を始めたいと思っているなら、この問題にどう対処するかをあらかじめ考えておかなくてはいけません。
この件についてはまた後日考えていきたいと思います。
飲食業界の売上高ランキング
では、実際に飲食業界ではどの企業が成功しているのか。まずは売上高ランキングから見てみます。
飲食業界の売上高トップ10(2020-2021)
1.ゼンショーHD(すき家、ココス、ジョリーパスタ、華屋与兵衛、なか卯など)
2.すかいらーくHD(ガスト、バーミヤン、夢庵、Chawan、ジョナサンなど)
3.日本マクドナルドHD
4.FOOD & LIFE COMPANIES(スシロー、京樽、すし三崎港、回転寿司みさきなど)
7.コロワイド(ステーキ宮、ラパウザ、かっぱ寿司、甘太郎、三間堂など)
9.くら寿司
10.トリドールHD(丸亀製麺、ずんどう屋、とりどーるなど)
飲食業界全体のランキングに、なんとスターバックスが5位にランクイン。
その他にも、
13位 ドトール・日レスHD
28位 サンマルクHD
44位 コメダHD
と、カフェ業界もランキング上位という結果でした!続いて純利益ランキングを見てみます。
飲食業界の純利益ランキング
飲食業界の純利益トップ10(2020-2021)
1.日本マクドナルドHD
3.FOOD & LIFE COMPANIES
5.コメダHD
8.物語コーポレーション(焼肉きんぐ、丸源、肉源熟成焼肉など)
9.アークランドサービスHD(かつや、江戸前天丼、マンゴーツリートーキョーなど)
10.ゼンショーHD
売上高と純利益で全くランキングの結果が違うのが経営の面白いところですね。
売上高では44位のコメダHDが純利益だと5位という結果になりました。
これはどういうことか。
コメダ珈琲の利益率が良い理由の一つとして挙げられるのが、
多くの店舗がFC店(フランチャイズ)だということです。約95%もの店舗がFC店のため、人件費や賃料を大幅にカットできているのだとか。
他にもたくさんの理由があるようですが、詳しくはコメダ珈琲についての記事を後日書きたいと思います。
ちなみに、純利益ランキング50位の中に他のカフェ業界はランクインしていませんでした。カフェ業界の利益率が良くないのはなぜだろう、、、
おわりに
今回は飲食業界の業界規模と状況について学びました。
コロナ禍+物価高+人手不足の三大苦により飲食業界は2020年から現在に至るまで厳しい状況が続いているということがわかりました。
次回は飲食業界の業界規模のうち、カフェ業界はどのくらいを占めているのか、カフェ業界の売上高、純利益のランキングについて学びます。
利益率が良くない理由や、この厳しい経営状況の中でどうやってお客様に来ていただけるカフェをつくるのかについても考えたいと思います!
参考文献
https://gyokai-search.com/4-gaisyoku-uriage.htm