カフェ利用者の声
前回、カフェ利用に関するアンケート結果を見たところ、この10年の間にカフェ利用者がカフェに求めていることが変わったということがわかりました。
そこで本日はカフェ利用者がカフェに求めることについて市場調査の結果を元に学びます。
今回は、マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査を参考にしています。
調査時期:2021年
調査対象:10〜70代の男女
カフェ・喫茶店の利用に関する調査(2021年) | リサーチ・市場調査ならクロス・マーケティング
①普段利用するカフェの種類
全国展開しているチェーンのコーヒーショップ 52.1%
地域で展開している地元チェーンのコーヒーショップ 19.1%
個人経営の喫茶店 19.0%
老舗の喫茶店・昭和レトロなカフェ 9.9%
アパレルブランドが経営するカフェ 3.7%
動物と触れ合えるカフェ 3.4%
コラボカフェ 2.5%
ラグジュアリーブランドが経営するカフェ 2.4%
コスプレ系カフェ 1.1%
その他のカフェ・喫茶店 0.6%
カフェ・喫茶店に普段行かない 36.5%
全国展開のチェーン店、地元のチェーン店を合わせると、なんと71.2%!
やはりチェーン店を選ぶ人が圧倒的に多いようです。
私も初めてのお店に行くのって少し勇気が必要で、どうしても知っているお店を選んでしまうのでこの結果には納得しました。
個人経営のカフェ利用は2割弱。なかなか厳しいです、、、
「初めての人でも入りやすいカフェ」は個人経営のカフェを営業するに当たって意識したいポイントになりそうです。
また、実際に個人経営しているカフェの店主によると、インスタなどのSNSを見て来てくれるお客様が多いとのこと。今はSNSでの集客も多いようなので、SNSを上手に使って「ここに行ってみたい」と思ってもらう方法はかなり有効な様です。
②カフェ・喫茶店の使い方、楽しみ方トップ10
ゆっくりリラックスする 40.7%
スイーツを楽しむ 29.8%
昼過ぎの休憩時に利用する 24.8%
友人やグループで会話を楽しむ 23.5%
フードを楽しむ 21.3%
モーニングを利用する 20.3%
お昼の時間帯に利用する 19.9%
お昼独自のメニューを楽しむ 14.0%
パソコンやスマホで好きなことをする 13.3%
仕事の移動中やすきま時間に利用する 12.8%
意外にもパソコン利用などは13.3%でした。ここに勉強も含まれるのかな?
ゆっくりリラックスして過ごす人が圧倒的に多いようです。
次にスイーツを楽しむ。美味しいドリンクだけでなく、スイーツも用意するのがカフェ開業には不可欠になりそうです。
上位にランクインしている過ごし方から私がイメージしたことは
・ソファ席や席同士の間隔が広いなど、ゆったり座れる座席
・席の間に仕切りなどがあり周りを気にせず利用できる
・美味しいスイーツ、フードがある
・和やかな雰囲気
・写真映えするおしゃれな内装、メニュー
です。確かに人気のあるカフェはこういった点を抑えていますね。
③普段利用するカフェ・喫茶店を選ぶ時重視する点トップ10
店内の雰囲気が落ち着いている 34.2%
長居しやすい 33.2%
メニューの値段が安い 33.0%
アクセスしやすい場所に立地している 26.8%
ドリンクメニューが豊富 26.5%
店内の雰囲気が明るい 24.6%
スイーツメニューがある 24.5%
Wi-Fiが使える 22.2%
フードメニューがある 21.9%
店員のサービスが良い 20.6%
こちらのランキングは順位にほとんど差がない結果でした。
似ている項目でまとめると
・過ごしやすい環境を重視しているのが最多の5つ
店内の雰囲気が落ち着いている(34.2%)、長居しやすい(33.2%)、店内の雰囲気が明るい(24.6%)、Wi-Fiが使える(22.2%)、店員のサービスが良い(20.6%)
この回答から考えられるのは
長時間ゆっくり過ごしたい
騒がしくない
快適に過ごしたい
有意義な時間にしたい など
この内容であれば全ての条件を取り入れられそうだなと私は思いました。
しかし、この条件を全て満たすことにより回転率が低下し、お店の利益がない状態になる恐れがあります。そのため、Wi-Fiの利用時間に制限を設ける、テイクアウトを充実させる、サブスク制度を導入して毎月定期的な利益があるようにするなど、しっかりと利益が出るシステムを考えないといけないと思います。
・メニューに関する項目が4つ
メニューの値段が安い(33.0%)、ドリンクメニューが豊富(26.5%)、スイーツメニューがある(24.5%)、フードメニューがある(21.9%)
こちらは全てを満たすのは難しいので、お店のコンセプトやどんなお客様にきていただきたいかを考え、自分の理想のカフェにするには何が必要なのかを考えていく必要がありそうです。
例えば、静かな雰囲気でゆっくり安らげるカフェにしたい!という考えなら、
価格を高めに設定する
敷居の高そうな内装にする
照明を暗めにする
SNSなどをあえて発信しない、広告を出さない
クラシック、ジャズなどの音楽をかける など
完全に私の偏見で考えた内容ですが(笑)
恐らくこういったカフェに学生や、大人でも友達とおしゃべりをしに行こう!とは思わないですよね。
かなり極端に書きましたが、自分の理想とするカフェにはどういったお客様に来ていただきたいか、そのためには何が必要で何を重視するのか、じっくり考えていきたいと思います。
おわりに
カフェ利用に関するアンケート結果は以上です。
ネット上でアンケートをとっているので、実際の声とは多少違うかと思います。
住んでいる地域、年齢層や生活習慣などに偏りがあるかもしれません。
一番大切なのは自分がカフェを開きたいと思っている地域での調査だと思うので、
実際に自分で開きたいと思っている地域のカフェに足を運び、どういった年齢層が多く利用していて、何をして過ごしているのか、何を注文しているのか、混雑する時間帯はいつなのか、、、などを調査していきます。
私のカフェ開業の目標は2023年の秋頃なので、時間を見つけてはカフェに通い市場調査を続けていこうと思っています。子育て中ということもありなかなか店内で過ごすことができないのでテイクアウトしたり、店外からお店の様子を伺うだけだったりもしますがここ1年ほどカフェの様子を観察しています!
カフェ利用についての現在の状況
これまでカフェの業界規模や現況、今後の課題などについて学びました。
では、現在の日本で求められているのはどのようなカフェなのか、市場調査アンケートの結果を元に見ていきます。
まず、インターネットのアンケート調査の結果があったのでそちらを参考にします。
調査時期:2021年4月(コロナ禍)
対象:10〜70代の男女
①カフェを利用する頻度は?
ほぼ毎日 0.9%
週に3〜4回 1.4%
週に1〜2回 5.2%
月に2〜3回 9.9%
月に1回以下 32.7%
現在は利用していない 34.3%
使用したことがない 15.5%
現在は利用していないという項目は、2018年の同じ方法で調査した結果は24.2%
2010年〜2015年に行われた同じ方法での調査結果も20〜25%という結果でした。
そのため、コロナ禍による生活スタイルの変化などでカフェ利用を控えている人がおよそ10%程度いると考えられる。
カフェを利用しているのは全体の約半分。
ひと月に何回もカフェを利用するのは全体の17.4%、利用者の中では月に1回以下が一番多く、32.7%でした。
②男女別・年齢別カフェ利用者について
カフェ利用者の中で、男女別のカフェ利用(よく利用している+たまに利用しているの合計利用率)は
男性が66%
女性が70%
となり、女性の利用者がやや多い結果に。
また、年齢別でみる利用頻度の高さ(よく利用している+たまに利用しているの合計利用率)は
20代女性が77%
30代女性が71%
となり、70%以上となったが、全体的に利用率は高く、20〜50代の男女比別の利用率に大きな差はなかった。
カフェといえば20〜30代の若い世代に人気な場所だと勝手に思っていましたが、この市場調査の結果から、全ての年代・性別の方がカフェを利用していることがわかりました。
よって、コンセプト次第ではどの年代の人をターゲットにしても集客を見込める市場なのだとわかりました。
③よく利用するコーヒーチェーン店は?
良く行くお店全てにチェックを入れるアンケート
スターバックス 60.0%
ドトールコーヒー 42.8%
コメダ珈琲 40.1%
タリーズコーヒー 27.4%
サンマルクカフェ 20.0%
星野珈琲店 11.3%
カフェベローチェ 10.8%
上島珈琲店 9.5%
エクセルシオールカフェ 9.3%
プロント 8.9%
カフェドクリエ 6.8%
珈琲館 6.7%
その他 7.6%
スターバックスは圧倒的人気店ですが、2018年の結果では61.4%、2015年は64.0%、2011年は66.6%だった為、この10年で6.6%減少。少しずつですが年々スタバ離れをしているようです。
ドトールコーヒーの2011年の結果は56.8%!そこから年々減少し、10年で14%減少と大幅に利用者が減っている様子。
対照的に、コメダ珈琲の2011年の結果は13.2%!そこから年々増加し、2021年にはドトールとほぼ変わらない40%超と人気が出ているようです。
おわりに
アンケート結果を過去の結果と合わせて見てみると、成長しているカフェがすぐにわかります。そして、利用者が減ってしまったカフェと今人気のあるカフェにはどのような共通点があるのか、または何が違うのか考えることができます。
(今回過去の結果は省きましたが、気になる方は『マイボイスコム株式会社』さんのコーヒーチェーン店利用に関するアンケートをご参照下さい)
人気があったお店のシェアが減ったり、そこまで人気のなかったお店の利用率が上がったということは、この10年間でカフェ利用者のカフェに求めるもの、ことに変化があったということです。
これは今後も変わっていくもののため、常にお客様のニーズ、世の中の流行などに敏感になり、変化にすぐに対応できるようにするのが成功のカギかもしれません。
では、現在人がカフェに求めているものは何でしょうか。
次回はそういった内容のアンケート結果について見ていきます!
参考文献
スターバックスジャパンの歴史
こんにちは、RINAです。
今回はスターバックスの創業から現在までの歴史について学びました。
1,設立
スターバックスは1971年にアメリカのシアトルで珈琲豆専門店として1号店がオープンしました。設立したのは、ゴードン・バウカー、ジェリーボールドウィン、ゼヴ・シーグルの3名。彼らは大学の同級生で、大の珈琲好き。特にゴードンはカナダまで珈琲豆を買いに行くほどだったそう。
ある日彼はシアトルに珈琲豆専門店を開くことを思いつくと、他の2名も賛同し、同じ大学の同級生で既に「ピーツ・コーヒー&ティー」という珈琲豆専門店をサンフランシスコで営んでいたアルフレッド・ピートに会いにいき、専門知識を学んでいった。
この「ピーツ・コーヒー&ティー」がスターバックスが目指したお店だったそうです。スターバックスの創業当時の店名は「スターバックス・コーヒー・ティー・アンド・スパイス」であり、「コーヒーや紅茶を愛するシアトルの人々に最高のものを味わってもらいたい」という思いが込められているそうです。
2,珈琲豆専門店から現在のカフェスタイルへ
シアトルの珈琲豆専門店を現在のスターバックスに成長させた人物がハワード・シュルツです。
彼は、創業者3名の珈琲豆への思いや、お店に訪れたお客様への真摯な対応、アドバイスに感銘を受け、1982年スターバックスのマーケティングディレクターとして入社。
その後、シュルツがイタリアのミラノに珈琲豆の買い付けに行った際、エスプレッソを提供するカフェバールの居心地の良さに感銘を受け、スターバックスでもこのスタイルを浸透させたいと提案します。しかし、アメリカでは現在の「居心地の良いカフェスタイル」はまだ馴染みがなく、反対されてしまいます。
そこでシュルツはスターバックスを退社してでもカフェバールの実現を目指しました。それが大成功。
その後、シュルツはスターバックスを買収し、どんどん成長していった。創業者3名がこだわった「美味しい珈琲の提供」はもちろん、彼が何よりこだわった一番のポイントは「居心地の良い空間」でした。
この「居心地の良い空間」を実現するために最も必要なのが従業員の教育です。
従業員が教育されたことを100%実行できるように、シュルツは従業員の働く環境、福利厚生を充実させ、従業員を何よりも大切にしていたそうです。アルバイトも正社員と同じ待遇にし、質の高い接客を目指していました。
3,コンセプトの大切さ
1996年にはアメリカ・カナダでの店舗数が1,000店を超えました。同じ1996年、東京に1号店がオープン。それが「銀座松屋通り店」です。
このようにスターバックスは海外進出を始め、2000年にシュルツが海外事業に尽力するためCEOを退任すると、成長を続けたスターバックスの勢いは止まってしまいました。
原因は、アメリカでの無理な店舗数の拡大による人材不足、クオリティの低下です。シュルツがこだわった「居心地の良い空間」ではなくなってしまったのです。
どうにか業績を戻そうと対策したのが、フードメニューを充実させることだったようですが、これがブランドイメージの崩壊に繋がり、2008年には赤字となってしまいます。フードメニューを充実させたことで珈琲の良い香りがなくなり「居心地の良い空間」だけでなく「美味しい珈琲」もなくなってしまったのです。
この事例から学べることは、お店のコンセプトを見失うと失敗するということ。スターバックスらしさを失ったスターバックスは、お客様を失ってしまったのです。
4,再出発
2008年の赤字転落を受け、シュルツはCEOに復帰するとアメリカにあるスターバックスの全店舗を一時閉鎖し、従業員の再教育を行いました。
わざわざ全店舗を一時閉鎖した理由を考えてみましたが、単に従業員の教育のためだけでなく、全店舗をリニューアルオープンすることで、スターバックスは生まれ変わったんだと顧客にアピールするのが狙いだったのだと思います。
(義母と娘のブルースというドラマでもパン屋さんの業績を元に戻すため最終的に行ったのが1ヶ月休業してからのリニューアルオープンだったので)
ちなみに、この時の店舗数は約7,100店。お店を休業するだけでなく全従業員に講習をするにはかなりの出費だったと思います。
その後もスターバックスらしさを取り戻すため、様々な取り組みを行うも業績が完全に戻ることはなく、最終的に赤字店舗である約600店を閉鎖し、2011年には過去最高の業績に成長することに成功。
業績は回復したものの、シュルツが大切にしていた従業員をリストラする事態となってしまったため、二度と同じ間違いを起こさないと誓ったといいます。
その後、スタバは成長を続け、2022年にはアメリカだけで13,000店舗以上展開しています!
全世界では約25,000店舗以上!
5,おわりに
今回スターバックスの歴史を学び、私がスターバックスに対して持っていたイメージとスターバックスのコンセプトが一致し、シュルツが目指したカフェがしっかり浸透していることに感動しました。
私がスタバに初めて行ったのは高校生の頃だったと思いますが、その頃からスタバはお洒落な場所という漠然としたイメージがありました。
大学生になると利用する頻度は高くなり、友達とのおしゃべり、少し休憩したい時、勉強やレポートを作成するのに利用したりと利用する目的も多くなりました。
上記の目的を達成するのにスタバが一番ちょうど良かったのです。そのことについて深く考えたことはありませんでしたが、そこには「居心地の良い空間」が確かにあったと思います。断言できるのは、スタバで接客してもらって嫌な気持ちになったことは今までなかったということです。
大学生の頃、スタバでアルバイトをしたくても面接に受かるのが難しいとよく耳にしました。これは従業員の質にこだわったシュルツの思いが込められていたのかなと思います。(就職活動の際にスタバかユニクロでのアルバイト歴があると有利というのもよく聞きました)
「居心地の良い空間」というコンセプトは一度崩れてしまいましたが、しっかり立て直し、日本で出店してもちゃんと受け継がれているのですね。
私も自分のお店を開くにあたって、揺るがないコンセプトを考えていきたと再確認しました。
参考文献
沿革(2000年度以前)|スターバックス コーヒー ジャパン
「私たちにとって最高の日々は、まさに目の前にある」:ハワード・シュルツがスターバックスの展望を語る - Starbucks Stories Japan
「戦略は一杯の珈琲から学べ」著:永井孝尚
カフェ業界の業界規模と課題
こんにちは、RINAです。今回はカフェ業界について調べた内容を記載していきます。
カフェ業界の業界規模と状況
カフェ業界は飲食業界の中では飲料主体部門に属している。
飲料主体部門は飲食業界全体の14.7%を占め、2兆6667億円の市場規模があり、この数字は前年比46.8%減となった。
飲食主体部門とは「喫茶店」「居酒屋・ビアホールなど」「料亭・バーなど」の3つに大きく分かれる。
・喫茶店は前年より31.6%減少し、8055億円となった。(※飲食業界全体の約3%の市場規模)
・居酒屋・ビヤホールなどは、前年より36.0%減少して、6489億円。
・料亭・バ ーなどは、前年より57.1%減少して、1兆2123億円。
喫茶店はアルコールを取り扱うお店が少なく時短営業の規制などの影響はそこまで受けなかったかと思いますが、それでも31.6%も減少しています。
しかし、飲食業界もですがカフェ業界も、2015年から19年にかけて少しずつ規模が増加していたことを考えると、コロナ収束後、物価の上昇の影響が残っていたとしても、カフェの市場規模は少しずつ増加していくのではと思います。
大切なのは顧客のニーズをその都度見極め、現状維持ではなく変化していくことだと考えます。
カフェ業界の売上ランキング
飲食業界に続き、カフェ業界の売上高ランキングを調べました。
2.ドトールコーヒー
3.タリーズコーヒー
4.サンマルクカフェ
5.コメダHD
6.ジェイアール東日本フードビジネス(BECK’S COFFEE SHOPなど)
9.東和フードサービス(椿屋珈琲、ダッキーダック)
10.ポッカクリエイト(カフェドクリエ)
スターバックスコーヒージャパンが2位のドトールコーヒーと1000億円弱もの差をつけて1位という異次元の結果でした。
確かにスターバックスはいつだって満席ですね!
店舗数はドトールと比べて約400店舗多いですが、それでプラス1000億ということにはならないでしょうから、やはり全世代から圧倒的に支持されているのでしょう。
純利益ランキングについても調べてみましたが業界全体のランキングは見つからなかったため、今回は省きます。
売上高ランキングの5位までの企業について、今後一つずつ深掘りしていくので、純利益についてはその際に調べたいと思います。
おわりに
今回はカフェ業界の規模と状況について学びました。飲食業界と同様にカフェ業界も厳しい状況に陥っているようです。コロナ収束後売上高は伸びていくのか。
課題としては、物価の上昇、カフェでの人手不足、地球温暖化による珈琲豆の高騰(30年後には生産量が半分になる)、珈琲豆の生産者・労働者減少などが考えられるようです。(え、珈琲豆なくなっちゃうの、、、?)
また、カフェに求めることも変わってきているとか。
コロナによりリモートでの会議・商談が増え、ビジネスでカフェを利用することが減っているのに対し、カフェでリラックスして過ごしたいというニーズが増えているようです。そのため、ソファ席などゆったりできる空間のあるカフェが増えています。
時代のニーズに早く気づき、対応していくことはカフェ業界に関わらず大切なことです。そのための市場調査とマーケティング。
カフェ業界トップの企業はこれまでにどういったマーケティングリサーチをしてきたのか。そして今後はどのような戦略を考えていくか、学んでいきたいと思います。
参考文献
飲食業界の業界規模について
前回学んだ市場調査の方法から、今回はカフェ業界だけでなく飲食業全体の市場規模と飲食業界の状況について調査しました。
ここ数年、飲食業界が大変だったことは誰もが想像できるかと思いますが、実際にどういった状況なのか、今後どう打開していくべきか、そのあたりが調査のポイントになりそうです。
飲食業界の業界規模と状況について
一般社団法人日本フードサービス協会の推計によると、令和2年度(2020年1月〜12月)の市場規模は18兆2005億円と推計された。
2019年までの売上高は増加傾向にありましたが、コロナが流行し始めた2020年は大幅に減少し、前年比30.7%減となりました。
一方利益率は2017年から下落傾向にあり、2020年には大幅に減少しています。
2020年は主要飲食企業118社中100社が減収を、83社が最終赤字を計上しました。
以上のデータから、コロナ流行の影響が飲食業界に大打撃を与えているのがわかります。
飲食業界はピンチな状況
感染拡大防止による臨時休業や時短営業の要請、テレワークや休校などで外出を控える消費者が増え、『3密』になりやすい店内飲食型の業態は収益が減少。
特にお酒を扱う居酒屋などは、稼ぎ時の時間帯に営業ができないことから、ランチからお弁当のテイクアウトを始めるなど新しい取り組みをしても厳しい状況が続いています。
最近では非常事態宣言が出されることもなく、withコロナとして生活も前のように戻りつつありますが、長い自粛期間による生活スタイルの変化により、コロナ前の状態に戻ることはまだまだ難しい様です。
また、飲食業界のピンチはコロナ流行だけでく、最近の物価高や人材不足も打撃を与えています。
最近ではあらゆる飲食店で値上げをしていますが、食材価格や物流費などのコスト上昇、人手不足による人件費高騰など、、経営状況はとても厳しいようです。
飲食業を始めたいと思っているなら、この問題にどう対処するかをあらかじめ考えておかなくてはいけません。
この件についてはまた後日考えていきたいと思います。
飲食業界の売上高ランキング
では、実際に飲食業界ではどの企業が成功しているのか。まずは売上高ランキングから見てみます。
飲食業界の売上高トップ10(2020-2021)
1.ゼンショーHD(すき家、ココス、ジョリーパスタ、華屋与兵衛、なか卯など)
2.すかいらーくHD(ガスト、バーミヤン、夢庵、Chawan、ジョナサンなど)
3.日本マクドナルドHD
4.FOOD & LIFE COMPANIES(スシロー、京樽、すし三崎港、回転寿司みさきなど)
7.コロワイド(ステーキ宮、ラパウザ、かっぱ寿司、甘太郎、三間堂など)
9.くら寿司
10.トリドールHD(丸亀製麺、ずんどう屋、とりどーるなど)
飲食業界全体のランキングに、なんとスターバックスが5位にランクイン。
その他にも、
13位 ドトール・日レスHD
28位 サンマルクHD
44位 コメダHD
と、カフェ業界もランキング上位という結果でした!続いて純利益ランキングを見てみます。
飲食業界の純利益ランキング
飲食業界の純利益トップ10(2020-2021)
1.日本マクドナルドHD
3.FOOD & LIFE COMPANIES
5.コメダHD
8.物語コーポレーション(焼肉きんぐ、丸源、肉源熟成焼肉など)
9.アークランドサービスHD(かつや、江戸前天丼、マンゴーツリートーキョーなど)
10.ゼンショーHD
売上高と純利益で全くランキングの結果が違うのが経営の面白いところですね。
売上高では44位のコメダHDが純利益だと5位という結果になりました。
これはどういうことか。
コメダ珈琲の利益率が良い理由の一つとして挙げられるのが、
多くの店舗がFC店(フランチャイズ)だということです。約95%もの店舗がFC店のため、人件費や賃料を大幅にカットできているのだとか。
他にもたくさんの理由があるようですが、詳しくはコメダ珈琲についての記事を後日書きたいと思います。
ちなみに、純利益ランキング50位の中に他のカフェ業界はランクインしていませんでした。カフェ業界の利益率が良くないのはなぜだろう、、、
おわりに
今回は飲食業界の業界規模と状況について学びました。
コロナ禍+物価高+人手不足の三大苦により飲食業界は2020年から現在に至るまで厳しい状況が続いているということがわかりました。
次回は飲食業界の業界規模のうち、カフェ業界はどのくらいを占めているのか、カフェ業界の売上高、純利益のランキングについて学びます。
利益率が良くない理由や、この厳しい経営状況の中でどうやってお客様に来ていただけるカフェをつくるのかについても考えたいと思います!
参考文献
https://gyokai-search.com/4-gaisyoku-uriage.htm
市場調査の仕方
市場調査とは、アンケートや街頭インタビューなどで顧客のニーズやトレンドなどを調査すること。調査結果は事業の課題などを解決するための材料となります。今回は、カフェにおける市場調査の方法について書きます。
①年齢別にアンケートなどで調査する
調査内容
・普段どのくらいのペースでカフェを利用するか
・どのようなカフェを利用するか
・どのような時にカフェを利用するか(カフェで何をして過ごすか)
・カフェを選ぶ上で重視することは何か
・カフェで注文するものは何か
・カフェ1回あたりの利用金額
まずはこの辺りの現状を知っておくことが重要。アンケート調査であれば、自分で調査しなくてもすでに大企業などが行った調査結果をネットで見ることができるので便利。
また、カフェをほとんど利用しない、したことがないという層については
・今後利用したいと思うか
・利用しない理由
などを調査し、どんなカフェなら関心を持ってもらえ、利用したいと思えるのか考えることができる。
②実際にカフェ巡りをして調査する
調査内容
・時間帯別のカフェ利用者数
・時間帯別の利用者の年齢層
・誰と何をして過ごしているか
・何が注文されやすいか
実際に自分がカフェを開きたいと考えている場所周辺で、自分が営業できるであろう時間帯に調査する。
→調査内容をインスタなどに投稿すれば、いいねの数でどんなメニュー、雰囲気のカフェに人気があるのかも把握できるかも。
③大企業(スタバ、コメダなど)の歴史や実績を調査する
調査内容
・飲食業界においてのカフェの市場規模
・カフェ業界においての売上順位、利益順位など
・出店場所と場所ごとの利用客層やお店の内装など
・売上の良いメニュー
市場調査をするに当たってまず大事なのは、市場規模を知ること。
そして、成功している企業がどのような戦略で成功しているのかを知ること。
今成功している大企業にどのような歴史があったのかを知ること。
そこに成功ヒントがある(らしい)
私は大企業を目指しているわけではないですが、ほとんどの答えは成功している企業にあるとのことです。
おわりに
カフェ開業で一番難しいことって出店場所を決めることだと思うのですが、それは素人の私だけでなく、どんな企業にとっても難しいことで、出店場所を決めるに当たって何度も何度も市場調査を行うみたいです。
今回私は、上記した3つの方法で市場調査を行なっています。現段階では市場調査の結果からカフェのコンセプトがほぼ決まったという状況です。ここからさらに市場調査を行い、カフェのコンセプトに沿った店内のイメージやメニューを考え、その後出店場所を決定していきたいなと思っています。
次回は私が行なった市場調査の記録を書きます。
カフェを開業したいと思ったらまず考えること②
今回は前回書いた
カフェを開業したいと思ったらまず考えること① - rinateacafeのブログ
続きで、残りの3つのステップに関して記載します。
③カフェのこだわりやメニューの考案
カフェのコンセプトが決まれば、まず一番こだわりたいこと、カフェの特徴(ウリ)を考えます。「これがあるからこのカフェに行きたい!」と思われるようなものだと良いと思います。
また、コンセプトに合うカフェメニューを考案する(看板メニューを決める)ことも大切です。美味しいものを出していれば自然とお客様は来てくれるはずです。
この際、なんとなくでも良いので値段設定もしておくと④でカフェ開業の場所を決める際に役立ちます。
④コンセプトに合う立地を探す
例えば写真映えする店内でスイーツを提供するカフェにするなら、ターゲットになるのは10〜30代の女性のため、オフィス街や住宅街では集客を見込めません。
このコンセプトのカフェ、この価格帯のカフェにはどの客層がターゲットになるのかを考え、どういった場所ならより多く集客できるのか①で行った市場調査をヒントに決めます。
ここまで決定したら、クラウドファウンディングで資金集めを始めるのも良いと思います。
クラウドファウンディングについては私はまだ何も勉強していない状態なので詳細は省きますが、こういったコンセプトのカフェをこの場所周辺でやりたい、出資いただいた方にはこういったサービスをさせていただきます!といった感じで出資をお願いするようです。
⑤カフェ開業に必要な資格を取得する
簡単なカフェであれば、食品衛生責任者の資格を取得すれば営業が可能です。
→1日講習を受けると資格を取得できる
フードメニューを充実させたい場合には他にも資格を取る必要があるため、カフェメニューの決定後、必要な資格が何かを調べ、取得する必要がある。
おわりに
以上、前回記事と合わせて5つのステップを初めに行う必要があると考えます。
そのため、カフェを開業したいと思ってから開業するまでには少なくとも1年程は準備期間に要すると思っていた方が良さそうです。
私はまだこの5ステップを行なっている最中のため、その後の不動産探しやカフェのレイアウト、営業の仕方などについて考えるのはもう少し先になりそうです。
次回は実際に私が行った市場調査の記録を記載します。
参考文献
・カフェをはじめる人の本〜自分らしいお店の作り方をおしえます〜
・自分でカフェをつくりたい人の本〜13の個性派カフェに教わるお店の始め方&ストーリー〜